VLIPの視点(今後の金融環境)

January 30, 2017

 

1. 外国為替動向

 

 米トランプ政権の政策内容は明らかになりつつあり、自由主義的な米国経済とは相反する内容になるとの懸念が残されています。

雇用拡大への期待は高まっていますが、通商問題などで市場関係者の警戒感は依然として残っており、リスク回避的なドル売りが再び強まる可能性があります。

 逆に 日米金利差が再び拡大する可能性があることはドルに対する支援材料となります。

月末月初にかけ日本銀行の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が開かれます。

今回はいずれも金融政策の現状維持が決定される公算だが、日本銀行は長期金利の上昇を抑制する方針を堅持するとみられています。

 

FOMC 声明が市場のコンセンサスである年3回の利上げを支持する内容なら、日米金利差の拡大によりドル高要因となりでしょう。 先週までの各為替レートの推移は以下の通り。

 

 

2. 金融・財政政策

 

  2017年は、選挙が相次ぐ欧州で主要国の首脳が代わる可能性もあります。また、世界経済はリーマン・ショック 後の調整局面を脱し、低成長、低インフレ、低金利という「3低を脱すると見込まれます。こうした環境下、市場では、これまで世界経済を支えてきた金融政策よりも、成長を押し上げる可能性のある、財政政策や構造改革へ視点が移ります。

 

 米国ではトランプ氏が掲げる景気刺激策への期待が高まったが、欧州では、力強さを欠く景気回復や格差拡大などへの不満が高まっていることから、選挙などを機に、これまで抑制されてきた財政政策が見直される可能性があります。

 

 一方、金融政策面では、FRB(連邦準備制度理事会)の政策決定会合参加者の米政策金利見通しは今年末で1.4%と0.25 ポイント幅で年内3回の利上げを示唆しています。

 

また、FRBは、量的金融緩和策として 2014年10月末まで買い入れてきた国債 などについて、満期償還資金の再投資を続け、資産規模を維持していますが、資産規模縮小の時期や方法について年内に議論を始めるべきとの見解が先週、地区連銀総裁から相次いで出されました。その場合、資産規模がリーマン・ショック前の水準に戻るのに5~8年程度を要するとされています。このため、追加利上げを含めて金融政策の正常化に向けた FRBの動きが今後も市場を短期的に不安定にさせる可能性は否定できない。趨勢としては、金融政策の正常化を可能とさせる米国景気の加速や、「3低」からの脱却 を支援する各国での財政政策での動きが、市場での投資家のリスク資産選好を促し、株価やREIT価格の上昇、円安・米ドル高などにつながると期待されます。

 

 

3. IMFの世界経済見通し

 

~不確実性を伴いながらも緩やかな景気回復を維持~

 

 IMF(国際通貨基金)は1月16日に最新の世界経済見通しを発表し、世界の成長率予測を2017年は3.4%、2018年を3.6%とし、昨年10月の見通しを据え置きました。

 

先進国の成長率予測は、2017年が1.9%、2018年が2.0%と共に上方修正されました。

 

米国がトランプ政権のもとで減税や拡張的な財政政策を講じるとの見通しから、2017 年の成長率が2.3%に、2018年についても2.5%と上方修正されたことが背景と考えられます。

 

ただし、トランプ政権については、保護主義的な貿易政策などの不確実性が高いことから、IMFはリスク要因の上下の振れ幅が通常より広いと指摘しています。

 

ユーロ圏については、国によってばらつきがあるものの、ドイツなどの中核国で成長が見込まれるとして、2017年予測がわずかながら上方修正されています。英国について は、2017年予測が上方修正されましたが、2018年はEU(欧州連合)離脱選択による景気下押し圧力が表面化するとみて下方修正されました。

 

日本については、円安による企業業績の上振れなどを背景に 2017年の成長率は 0.8%に上方修正されましたが、2018 年 は0.5%にとどまるとされています。

 

新興国については、2017年の成長率予測が4.5%へ下方修正されました。ただし、市場で景気減速が懸念されている中国については、政府の景気刺激策が続くとの見方から、 2017年の成長率が6.5%と上方修正されています。一方、インドについては、2017年の予測が7.2%に下方修正されました。これは政府が高額紙幣を廃止した影響で、一時的に消費が低迷することが影響していると考えられます。

 

メキシコについては、米国に関 連した不確実性を理由に2017年の成長率が1.7%と大きく下方修正されました。

 

IMF は今後のリスクとして、保護主義的な政策や金融情勢の引き締まり、地政学的な緊張激化のほか、中国の景気減速懸念などを挙げいるものの、世界経済が先進国を中心に緩やかな景気回復を維持すると予想していることは、投資家心理にプラスに働くと 期待されます。

 

 

 

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